[ワード/四字造語]動詞促音化(は行)+動詞
(2018/02/19 09:57:46)


動詞促音化(は行)+動詞。

降って湧いた思考ナイアガラ大瀑布の様子を綴ってみたい。


動詞「倒す・飛ばす・殺す」。

はっ倒す、はっ飛ばす、はっ殺す。
ひっ倒す、ひっ飛ばす、ひっ殺す。
ふ(ぶ)っ倒す、ふ(ぶ)っ飛ばす、ふ(ぶ)っ殺す。
へっ倒す、へっ飛ばす、へっ殺す。
ほっ倒す、ほっ飛ばす、ほっ殺す。



「はっ〜」は「張り」が促音化した表現であり、他の語彙もそれぞれの動詞が連結している。

つまり、動詞+動詞の表現である。○○して○○する、と。前者の方法によって後者の結果(状況)を得る訳だ。

張る+倒す → 張り倒す。
張る+飛ばす→ 張り飛ばす。
張る+殺す → 張り殺す。

「ひっ倒す」の「ひっ」は「引き(轢き)」ということだ。

ひっ倒す → 引き(轢き)倒す。
ひっ飛ばす→ 引き(轢き)飛ばす。
ひっ殺す → 引き(轢き)殺す。

或いは、「放(ひ)り」とすることもできそうだ。

「ひる」という動詞の用例としては「屁をひる」や「大便をひる」等が挙がり、ひり倒していたら相当、腹の具合が芳しくない様子が伝わり、ひり飛ばしていたら割りと迷惑千万だ。ひり殺すなんてのは人間の尊厳にも関わる一大事である。

「ふ(ぶ)っ〜」は、「吹き」や「打(ぶ)ち」が方法手段を示す動詞だ。

ふ(ぶ)っ倒す → 吹き(打ち)倒す。
ふ(ぶ)っ飛ばす→ 吹き(打ち)飛ばす。
ふ(ぶ)っ殺す → 吹き(打ち)殺す。

「へっ〜」については、日常的には余り耳にすることはないだろうが、「圧(へ)す」という動詞が促音化したものだ。

「圧す」という動詞の意味は、例の「押し合い圧(へ)し合い」の「圧す」であり、「圧」の字義から予測できるように「圧力を加える」──つまりは「押す」と意味合い的には変わらない。語彙的には古語に分類される。

へっ倒す → 圧し(押し)倒す。
へっ飛ばす→ 圧し(押し)飛ばす。
へっ殺す → 圧し(押し)殺す。

ちなみに、甲州弁には「おっぺす」という方言があるが、漢字を当てれば「押し圧す」となり、なかなかに正しい言葉であると感心したものだ。

「こっちで構えてるから、そっちからおっぺしてー」
「おっぺす?」

さておき…

例に挙げた語群の結果を示す動詞が穏やかでないのもさることながら、この「ほっ〜」群が一番恐ろしい気がするのは気の所為だろうか?

「ほっ〜」は「掘り」が促音化したものだ。

ほっ倒す → 掘り倒す。
ほっ飛ばす→ 掘り飛ばす。
ほっ殺す → 掘り殺す。

嗚呼、恐ろしや恨めしや…

そして、あろうことか、どういう状況なのかもよく分からない始末…

掘り倒す? これはまだ分からんでもない。「掘って掘って掘りまくる」ということだろう。対象が対象ならば、なかなかに労働熱心だ。

掘り飛ばす? これが分からない…
掘って飛ばす? どーゆーこと? 掘ったところで何かが飛ぶか? やぁ、掘られた土なりのほうを差すんか? 土砂が掘り飛ばされる、と。受動態しかないのか? ちょ待てよ… 「飛ばす」には「順番を抜かす」とかの意味もあるから、掘って順番抜かすんか?

「よう、横から割り込んで来て掘り飛ばすなよ…」

行列並んでるときにシャベルでも持っとるんかいな? なるほど分からん…

個人的には一番最後が一番刺さる。

「掘り殺す」──とても香ばしい。フィジカル要素でイマジネーションを育むと、ノンケにとっては阿鼻叫喚の地獄絵図だ。

自動車事故で後ろから追突されることを「オカマを掘られる」というが、不謹慎を覚悟で綴ると、どうせ殺されるなら、願わくば堀り殺されたくはないものだ。

あ! ここで「掘り飛ばす」がどういう状況か分かったぞ! なるほど、そーゆーことか。能動態でも十分に伝わる。

「どけ、どけ、どけー! ウロチョロしてっと、ほっ飛ばっそー!」

振り向けば奴がいる。やはり、恐ろしい…


…と、このような唐突な思考垂れ流し華厳の滝がどうして間欠泉のように噴き出したかというと、ネット上で「『はっ殺す』が分からない」云々といった文章を拾ったからだ。

『え? 何が分からんの? 張り殺すやんけ…』と。

で、勢いよくうっかり広げてみたら、恐ろしい結果になったので、皆さんに嫌がらせのお裾分けをば☆

てな訳で、ごめんあさ〜せ☆

*2017.10.23・草稿


他にも、ひっ捕らえる・ひったてる・おっ始める。
促音化以外では、ふん捕まえる。ぶん殴る・ぶん回す、等々。何だかド頭に何かがくっついてる語彙てな散見されるよね?

ゆーてる傍から「ド頭」の「ド」とか、「くっつく」の「くっ」とか。「つく」でえーやん? 別に意味通るし。

まぁ、アレやね。全般、キレイな言葉にゃ付かんのやろねぃ。

とっ散らかる
寝っ転がる
トチ狂う
へし折る
しゃっちょこばる(鯱張る)

派生的に、罵詈雑言の類いには意味不明なものも多い。

スットコドッコイ。

完全に擬音としか思えない。何に擬えられているのかも分からない。にも関わらず、全力で否定したくなる。そんなじゃないよ〜、と。

どんなのじゃないのかも分からないし…

Keywords: 嫌がらせ

Tags: お裾分け, ナイアガラ, フィジカル, 受動, 否定, 地獄, 大瀑布, 思考, 義, 能動, 草稿, 迷惑


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