[レビュー]クローディアの告白〈上・下〉
(2007/05/06 23:31:00)


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段ボールに箱詰めされていた蔵書を紐解いてみた。上下巻あり、まずは上巻を読破。

22口径連続殺人事件について書かれたものだ。タイトルのクローディアとは精神分裂症患者の名だ。

シリアルマーダー物は他にも何冊か読破したが、精神障害について好奇心からではなく、改めて正しい知識を身に付けたいと感じた。

下巻を読破した後、同著者による「24人のビリー・ミリガン」も機会を設け、読みたいと思う。

*2007年05月06日 23:45


今し方、上下巻を読破した。

読後の感想として、何かに気付かされた思いがする。

自身の半生とを照らし合わせたとき、心療内科医ほどでは決してないが、精神障害や病理に蝕まれた人と関わった。

僕は「差別」と云う言葉を一般的な定義として用いない。平たく「健常者も障害者も人間である」と云う括りだ。

ただ、現状、差別と云う概念は確実に存在する。それは皆一様に「平等」ではないからだ。

あらゆる事象に「対」や「対比」が存在する。美人、不細工、金持ち、貧乏…

決して平等ではないのだから当然、差別は生まれる。それを「禁忌」とするのは単に「綺麗事」に過ぎない。

それでも僕は敢えて云いたい。

健やかなる者よ。
病める者を貶める事勿れ。

病める者よ。
健やかなる者を羨む事勿れ。

「有りの儘」の己を受け入れる。
それこそが真の「潔さ」である、と。


ダニエル・キイスには脱帽する。僕自身の多くの失敗が何処か紐解けた感じがする。

それは「世界観を共有することは困難である」と云うこと。

僕の失敗の多くは悉くこれに終始しているように感じる。

僕の苦悩が理解できないように、相手の苦悩が理解できないように…

それはお互い様なのだ。決して交わることはない。何処まで行っても「擦れ違い」。それには「永遠」と云う形容が相応しいだろう。


ただ、一瞬であれ、刹那であれ、僕と世界観なりを共有した、と云うことが僕の唯一の救いとなるのだろう。

同時に、抱えている病の知識などを正しく理解したいと、改めて痛感した。

重ねて云う。

僕は決して「差別」しない。僕は僕自身の強烈な独断と偏見で判断する。そう云う「人間」だ。


何よりも大事な、掛け替えのない人よ。
どうか、心の霧が晴れますように──。


コメント

2007年05月06日23:36 vincent.

原題は、Unvailing Claudia

下巻巻末に斉藤由貴の感想が載っている。
Unvailingについての能書きが非常に面白い。

機会があれば一読されますことを。
非常にストレスの溜まる作品であることを
付け加えておく…(´∀`*)y-〜♪

Keywords: クローディアの告白 ダニエル・キイス

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