[エッセイ/随想]恋愛を長続きさせる方法
(2011/10/16 11:36:28)


恋愛は呆れるほどに長続きする。


相手を神のように崇め、奉ろうとも、え? こんなこともできないの? 知らないの? 分からないの? 等々、何処かで隙やギャップを見出してしまったりする。

或いは、相手に柔順を貫こうとする余り、屈伏や支配などを求めたりもするが、どうしても絶対的な根拠を据えられなかったりする。

つまり、無条件降伏するには至らない、と云うことだ。


そこで、相手を軽視する、と云う要素を取り入れてみるのはどうだろう。

なるほど、完全無欠の人間などはいないのだから、そうすることには特別な努力も理由も要らない。誰でも簡単にできそうなことだ。

だが、恋い余る故にそう簡単には軽視できないものだ。好きだから、と云う理由が先に立つ。


本来、恋愛に理由はない。感情論の頂点ではあるのだが、絶対的解──答えがない。故に、理解できなくて当然なのだ。

理解できないことで悩む前にどうすればモアベターかを考える。

些細なことでも呆れてしまえば良いのだ。

「ハァ… ったく。ダメだなぁ…」
「そんなじゃお里が知れちゃうよ?」

「いいのよ。わたしが全部やるから」
「あなたには期待してないわ」

尚且つ、

「君にはいつも感心させられるよ」
「あなたにはとても敵わないわ」


相手を神のように崇拝しつつ冷遇し、奴隷のように軽視しつつ優遇する。

この定義に準え言動することにより、お互いの定義の差異──

あなたの云う崇拝とは?
あなたの云う軽視とは?
また、優遇と冷遇とは?

これらの価値観の差異──それぞれの世界観が浮上する。

呆れるとは、価値観を探り合うためのバロメータである。


恋愛は呆れるほどに長続きする。
ほら、また何処かで溜め息が──

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