ある女の子との会話から、どうやら俺は「完璧主義者」らしいことが分かった。「完璧なものなど存在しないことを知りながらも、それを追い求める」
何とも切ないオブジェクトだ。
俺ほどデタラメな人間を俺は他に知らない。完璧からはほど遠いことも理解しているつもりだ。
ルールを守ることは何よりも素晴らしいことだが、ルールに縛られることほど愚かしいことはない。そんな風に考える。
自掲示板でも「侍」なる文字が見受けられるが、この呼ばれ方はかなり以前から耳にした。ある者は誉め言葉として、ある者は嘲笑の対象として。
侍の語源は「さぶらう」であり、主君の傍らに常にさぶらっている、という意味だ。所謂「主従関係」が明確でなければ成立しない。孤独でいることがすでに侍ではない。云うなれば「落ち武者」だ。
世の中には愚かな主君が多い。すべての価値観は金子の多寡で判断されるようだ。多ければ大将、少なければ従属側に回るしかない。
だが、疑問を持たずして従順でいることの美徳観は持ち合わせていない。牙の抜け落ちた野生動物は未練がましく生を垂れ流さない。
「完璧主義の侍」──そんなオブジェクトが生を流浪する隙間は少ない。ただ、心の中の銃刀法違反は続けたい。
生の潰える瞬間まで。
Keywords: 侍 完璧 オブジェクト ルール 主君 Nobody's Perfect
Tags: 価値観, 孤独, 成立, 未練, 流浪, 理解, 瞬間
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