[エッセイ/随想]sexy
(2003/05/27 09:23:34)


「アニキは結婚願望とかってある?」

先日、久し振りに一緒に飲んだ兄弟分が出し抜けに訊いてきた。

「ないよ」

間髪入れず応えた。
自分には本当に無縁な概念だ。

「じゃ、アニキにとって結婚って何?」
「国の制度──」

流石の兄弟分も言葉を失った様子だった。


「あのな。普段からアンチイズムだとか曰ってる奴が、なんでそこだけ体制側のルールで動かなアカンねん?」
「…」
「オイラ、逆に訊きたいよ。好きなモン同士が一緒におればそれでええやん? なんで、国に認めてもらう必要があんねん? 紙切れ一枚だけでごっさウザイやん?」

「じゃ、子供ができたら?」
「そら、認知するわな(笑)」

「アニキは子供嫌いな訳?」
「や、他人の子供はごっさ好きやで、利害ないから」

「利害ないから(爆)でも、絶対変わるって」
「何が変わるのよ?」

「考え方とか、いろいろ」
「そんなもん、そんなことで変わるよーやったら、ハナから大した考えないって。逆に、考えないからガキはらませよったりする訳やし」
「あ、それは言えちょるかも(笑)」

「大体、自分の遺伝子組み込まれてるゆーんが気分悪いわ。オイラはオイラ。ヘタに分身だとかヘチマだとか、考えただけでも気色悪い…」
「や、でも、そりゃ女の人がいるから薄まる訳で…」

「兎に角、利害が発生するもんに能書きとかこかれよーもんならたまらんで? じゃ、己で喰わんかい!?てな感じ(笑)」
「そら、きびしいなぁー」
「ま。何にしてもオイラにその概念は無縁」

「じゃ、伴侶とかって?」
「そんなもんおる訳ないやん? 自分のことも儘成らずやのに。大体、自分の中で不完全さがあるから他の者で補填しようゆー考えやろ? もっと、己で高めんかい!ゆー感じが強いかしら? 自分にないものは他人に求めない。ま。生物学的にはかなわない部分一個あるけど、それ以外で負けようもんなら、そりゃ、ホンマごっつアカンで?」
「勝ち負けちゃうでしょ?」
「ま、そりゃそーやけど、朧気ながら勝敗はあるさ」

この辺りで二人とも生ビール4杯目くらい。更にハードディスカッションは続く。ハマチ刺と串盛り(おまかせ)をついばみながら。

「じゃ、アニキにとって家族って何よ?」
「てゆーか、所帯を持つゆーことやろ?」
「そー、所帯」

「血縁の家族は、そらもー自分の制御不能な部分で成立したもんやから、こらしょうがねえよ。抗いようがない。ただ、所帯ゆーんは自分でコントロールできるし、持ちたくない思ったら持たんで済むやん? 今は…ゆーより、今後もそんな発想はありえない思うで、オイラは」
「ふ〜ん、やっぱアニキは変わってるわ(苦笑) お姉さん、黒生お代わり!」
「あ、オイラも!」

「てゆーか、自分、所帯持ちたい訳?」
「まぁ、何だかね。多分、オイラは相当変わる思うのよ」
「で、相手は?」
「…」
「(爆)既に前提で崩壊しとるやんけ!」
「ま。そりゃそーなんだけど…」
「相手があって始めて考えることやろ? せっかち過ぎやって(笑)」

兄弟分が、ばつの悪そうな顔で黒生をすする。

「男子たるもの女子にモテな(笑)モテてナンボやろ?」
「まぁ〜ねぃ」

「それには色気が必要や思う訳よ。ゆーても、セクシー系ね?(笑)」
「そやね(苦笑)」

「悪いけど今の自分にゃ微塵も感じひん。そら女の方が願い下げゆー話や。頭もボッサボッサやしな(笑)」
「おっしゃる通りで…(苦笑)」

「よし! じゃ、今から女の子のいるお店でちょいと頑張ってみちゃおうか? まず、どっちがセクシー系かっちゅー話で!」
「何だか分が悪そうだけど… 行っときますか!?」

「そそ、何事も修行、修行♪ じゃ、オイラはちょいと厠へ♪」
「あ、オイラも♪」

そんなこんなで野郎同士の身にならない戯れ言トークバトルは終焉を迎え、次の店へと雪崩込んだ。結果は推して知るべし!

ケータイと出勤日は押さえたので、後は狙い打つのみ!(笑)

そんな感じで♪
今日はグタグタやなぁ〜 まいっか☆

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