[エッセイ/随想]優しさについて
(2004/07/26 00:00:00)


男に対する優しさは、薄情けをかけてはアカン、同情してはアカン、相手に対して失礼だと感じ避けてきた。そして、それを受けることも極力避けてきたつもりだ。

ただ、人の優しさに触れると、思わず鼻の奥がすっぱくなる。


ギブ&テイクな発想は元々持ち合わせていないが、それでも幾ばくかの期待をしてしまうのが人間の悲しい性。

押しても引いても相手には届かないのが自分の真意や本意。そう割り切った自分がいるにも関わらず、やはり、どこかで期待を抱いてしまうようだ。

傷つくのは自分だけで良い、と思いつつ、これ以上傷つきたくない、と願う自分が同居する。そして、それらを晒したくない、と痩せ我慢する自分がいる。

どれもこれも紛れもなく本来の自分。

裏切りや絶望感を幾度となく味わおうが、俺は優しい男で在りたい。

ときに激烈な痛みを伴うこともあるが、本当の優しさとは、その痛みが分かるかどうか、ということだけ。分かるとは、アタマで理解するのではなく感じること。


自分の真意や本意が相手に伝わらずとも己の義に忠実に。

優しい男で在りたい、と願う心が優しい男を後押しする。

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Tags: 優しい, 優しさ, 我慢, 期待, 本意, 理解, 痩せ我慢, 真意


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