[エッセイ/随想]苦笑考
(2008/05/27 02:05:16)


つい今し方の出来事。コンビニで弁当を買って来たのだが、レジ前でのひとコマを見て、「ああ。このことを云っているのだな…」と思った。


「日本人の笑顔は薄気味悪い」
「何を考えているのか分からない」

諸外国では、こんな風に囁かれているそうだ。

「こっちかてアメリカンジョークなんぞいっこもおもんないよ」と、「笑いのセンス」についてだと錯覚していたが、合点のゆく解を目の当たりにした感覚だ。


僕がお金を渡すと、店長らしき人がバックヤードから出て来て、レジ打ちのバイトくんに「とった? とった?」と、こちらに聞こえる小声で。

バイトくん、何だかバツの悪いような挙動不審のような、何とも煮え切らない態度。しかも、半笑いを浮かべている。

そんな彼を尻目に、店長と思しき人がレジの札入れケースをズワっと持ち上げ、底にしまっておいた札束(と云っても数万だろうが)を取り、おもむろに隣りのレジへと。

そこで何となく解釈に至ったのだが…

僕がお金を出して、レジが開いた瞬間に「とった? とった?」の声。それに反応してバイトくんの挙動なり。

どう見ても「盗った? 盗った?」と詰め寄られているようにしか見えない。

店長も店長で、僕と視線が合うと、「いやぁ、ウチのバイトがまったく…」的な、何とも奇天烈な笑顔…

僕はお弁当が温まるのを待っていただけなのだが、お釣りを貰う段になって、

「すいません…」

バイトくんがまた半笑いを浮かべながら…

『何のすいませんや? ま。済みません、て云えんのが今のガキだとしても… その笑いは一体──?』


日本人の笑顔は薄気味悪い──。

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Tags: コンビニ, 声, 感覚, 挙動, 挙動不審, 瞬間, 解釈, 錯覚, 風


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