口数が少ない分、
物憂げな瞳が多くを語る。
睫毛の隙間から僅かな光が零れ、
精一杯の哀願を訴える。
助けて──。
手を伸ばせば届きそうなのに…
追えば追うほど遠離るようで…
僕は立ち尽くしたまま、
黙って君を見つめている。
君の輪郭が大気に溶けて、
消え入りそうな錯覚を覚える。
それでも手を伸ばせない。
臆病風が冷ややかに嗤う。
そして、長目に吐き出す煙が、
忌々しく視界に絡み付く。
懈怠と精進の狭間に揺蕩う魂。
嗚呼、饑い──。
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Tags: 嗤う, 揺蕩う, 派生, 輪郭, 錯覚, 風, 魂
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