[会話/戯曲]永遠の刹那
(2006/12/31 03:19:00)


「何故、あなたはわたしに優しくするの?」
「俺の行動に理由の必要が?」

「あなたのこと、もっと知りたいわ」
「知らないことのほうが多いさ──」

「ふふ。あなたはいつもそんな調子ね」
「そうかい?」

「ええ。可笑しな人だから余計に困るわ」
「きみを困らせるのは本意じゃない」

「じゃ、聞かせて頂戴」
「困ったな」

「困っても許さないわよ?」
「おっかないね」

「逃げるからよ」
「ふふ。逃げる理由なんて要らないさ」

「じゃ、聞かせて頂戴」
「きみを愛しているからさ」

「──」

「宜しいかな?」
「宜しくってよ」

「疑問、すっきり?」
「ええ、すっかり」


「年の瀬だね」
「そうね」

「何かいいことあったかい?」
「ええ。それなりに」

「激動の年だったよ」
「あなたはいつもそうよ」

「ふふ。そうかも知れないな。ただ、今年は格別だよ」
「どうして?」

「ふふ。『何故』や『どうして』が多いね」
「あなたがいつもうまくはぐらかすからよ」

「不器用ながら努力してるつもりさ」
「ふふ。あなたのこと、もっと知りたいわ」

「きみに隠し事はないつもりさ」
「ふふ。またそうやって──」


「限られた時間が永遠にある」
「永遠って素敵で儚いわね」

「永遠の刹那を重ねるだけさ」
「いい科白はいつもあなたのものね?」

「遠慮するなよ」
「わたしもいいのかしら?」

「お気の召すままに──」
「優しいのね」

「優しさを受け止めてくれるきみがいるからさ」
「苦しくなることも怖くなることもあるわ」

「そうか。わがままだからな」
「わたしが? あなたが?」

「お互いさ」
「ふふ。そうね」


「いい科白、いいのかい?」
「気が利いてて助かるわ」

「や、まだまださ」
「いつも感謝してるのよ?」

「そうか。何だか照れるね」
「ふふ。可愛い人──」

「──聞かせてくれよ」
「ええ。困っても知らないわよ?」

「ふふ。可愛い人だ」
「あなたに似たのよ」


「今年最大の“それなり”──」
「ああ。何だい?」

「あなたに出逢えたこと」
「──」

「わたし、方向音痴だから──」
「──」

「ずっと、迷子になってたの」
「──」

「もう迷わないわ」
「──」


「どう? 決まった?」
「ああ。見とれてたよ」

「宜しくって?」
「ああ。格別に」


「永遠の刹那を噛み締めよう」
「──」

「ふたりで一緒に──」
「──」

「宜しいかな?」
「宜しくってよ」


「やっぱり決め科白はあなたが持ってくわね?」
「ふふ。わがままでごめんよ」

「いえ、お互い様よ」
「優しいんだな」


「来年も宜しく」
「来年も宜しく」


お後が宜しいようで。。☆
良いお年を──。

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