[エッセイ/随想]流離いの魂人
(2007/04/16 04:17:00)


ぽつりぽつりと洩れ出す言葉。
一体、どんな意味があると云うのだろう。

吹けば飛ぶよな、なけなしの語彙。
腹の底に何も響かない薄っぺらな欠片。

そんなものを幾ら紡いだところで…

何も埋まらない。

空虚な空洞に金属質な響きが谺するだけ。


それでも紡がなくてはならない。
否、意識せずとも紡ぎ出されてゆく。

止め処なく、溢れてくる。

云いたいことを云っているのではない。
云えることを云っているだけ。

やりたいことをやっているのではない。
できることをやっているだけ。


ぽつりぽつりと洩れ出す言葉が
震えるほどに心地好かったら…

ぽつりぽつりと紡がれる言葉が
背筋が凍るほどに背徳感を帯びていたら…

どんなにも美しいだろう。

きっと、身の毛もよだつほど神々しいに違いない。


我、流離いの魂人なり。

未だ見ぬ、新しい輝きを求めて。
何処を彷徨っても、そんなものはないと知りつつも…

大いなる幻想にすべてを賭して──。


我が魂の命ずるままに──。



2007年04月16日04:18 vincent.

「ひとりで抱え込まないで…」
「いつでもひとりさ」

「──」
「今までも。これからも──」

Keywords: 言葉 魂 ひとり 流離い

Tags: 幻想, 彷徨, 意味, 流離, 空虚, 背徳, 語彙, 魂, 魂人


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