[.spell]魂の昇架
(2008/01/10 05:25:00)


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背負い切れぬものを背負い込むと、
前傾姿勢ではあるが一歩も進めぬ。

被虐的に自身を貶め恨めしそうに天を仰ぐ。

光のシャワーが燦々と降り注ぐと、
堪え切れずに再び瞳を瞑じる。

幾星霜経ったのか──。
時の刻みは何人たりとも御せぬ。

ただ、無為に消費してゆく。
ただ、無為に枯渇してゆく。

否、

のし掛かかって来る。
幾重にも積み重なって来る。


渇いた喉では美しい旋律を奏でられぬ。
それでも尚かつ──

敢えて咆哮を続けよう。
逃れられぬ宿命には抗うことすら叶わぬ。

全身全霊、魂を賭して──
喉が裂けるほどの静かなる咆哮を。


散れ。美しく舞い散れ。
心の血飛沫──。

散れ。せめて、美しく舞い散れ。
魂の血飛沫──。

そして、なけなし潤せ。
他の糧となることに疑念と躊躇を抱くな。

それは「必然の報い」──。
染み着いたまま決して浄化されることはない。


我が魂の命ずるままに──。


【画像】
  1. キリスト昇架 The Elevation of the Cross
    ルーベンス Peter Paul Rubens(1577-1640)
    フランドル バロック
    c. 1610-11
    Central panel of triptych altarpiece
    462 x 341 cm
    アントウェルペン大聖堂 Cathedral, Antwerp
  2. キリスト降架 The Descent from the Cross
    ルーベンス Peter Paul Rubens(1577-1640)
    フランドル バロック
    c.1611-14
    Oil on panel(Central panel of triptych altarpiece)
    420 x 310 cm
    アントウェルペン大聖堂 Cathedral, Antwerp
  3. The Granduca Madonna
    ラファエッロ、サンティ Raphael, Santi(1483-1520)
    イタリア 盛期ルネサンス
    1504
    Oil on wood, 84 x 55 cm
    Galleria Palatina(Palazzo Pitti), Florence

Tags: 全身全霊, 咆哮, 宿命, 幾星霜, 幾重, 必然, 浄化, 無為, 画像, 被虐, 躊躇, 魂


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