[エッセイ/随想]愛は二律背反
(2008/07/25 12:57:08)


愛は二律背反。
背中合わせでぴったりと寄り添っている。


手を伸ばしても虚しく空を切り、抱き合うことも、見つめあうことすらも叶わない。

ただ、背中で感じるだけ──それぞれの因果律は、それぞれで自立している。


愛は二律背反。
二律背反が愛。

相互補完で成立する。

故に、背中合わせでぴったりと寄り添っている。決して分かつことはできない──。


愛は二律背反。
故に、理解不要。

理解と云う観念は通過点。
理解の行き着く最果ての突端にあるもの──それが感受性のみが傍受し得る揺るぎない確固たる「愛」。

 Don't think, feel LOVE…

感受性が傍受したものに説明は不要。


愛とは、理不尽の頂点。

理不尽とは、理では語りつくせない、と云うこと。そもそも不条理で説明などできない代物。

不条理とは、条理のアンチテーゼ。条理で括れる筈がない。


身震いするほどの二律背反を感じよ。

我が魂の命ずるままに──。

*2008/07/21 臨海隔離施設にて

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