[エッセイ/随想]剥き出しの感受性
(2008/07/28 18:18:56)


時々、感じることがある。

君が感じていた閉塞感や重圧感は無意識へ埋没してしまうことへの不安だったのではなかろうか、と。


君を取り巻く環境は、上も下も、右も左も、苦悶に満ちている。悲哀ばかりではないが、光が射せば影もまた濃い。

剥き出しの感受性は、それらの悲痛を我が事のように傍受してしまう。溢れる「慈愛」が勝ってしまうからだ。

そこで感じた違和感なりをやり過ごすこと…つまり、無意識下に沈めてしまう、と云うことだが…

その「愚鈍」なり「麻痺」なりに「醜さ」を感じ、その醜さが自身に取り憑いてしまうのではないか、と云う不安を抱いたからではなかろうか、と。

そんなことを感じる。


やはり、君は聡明だ。
ただ、理解者に恵まれていないだけだ。

僕は、そこに共通項を見出す。


独自諦観を以って自身を慰めよ。
君が傍受したものは君自身の所有物。

他に分け与えられなかったとしても、他に教え諭せなかったとしても…

何も責任はない。

願わくば、その繊細さ故の雁字搦めの蹂躙を、どうか、解き放ち給え──。


僕は君を愛してやまない。
君、悟りよ。幸いあれ。

*2008/07/28 臨海隔離施設にて

Keywords: 自身 不安 傍受 剥き出し 感受性

Tags: 剥き出し, 愛, 慈愛, 理解, 臨海隔離施設, 諦観, 違和感


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