[エッセイ/随想]最凶考
(2015/02/17 15:21:22)


「最強」は最も強い、という意味。
「最悪」は最も悪い、という意味。

これらを並べると「最強最悪」という、悪役レスラーや、暴走族のキャッチコピーのようなフレーズができあがるが、更にもじって「最凶最悪」とするとどうだろう。

禍々しさを誇張したいことは伝わるが、当て字としては些か穏やかでない。

このまま放置しておくのも、球体バブルス収集委員会会長としては流石に忍びないので、暇さ加減にかこつけて少し掘り下げてみたい。

「最凶考」──である。


「最凶」を論ずる前に、まず、「最悪」のほうにスポットを当てたい。
「最悪」とは、「善悪」の分岐のうちの一極であり、そのマックス表現(概念)だ。

善と悪との比率は定かではないが、話をスムーズに進めたいので、ここでは2等分、1/2ずつとする。

こうすることで善悪のうち1/2を占める悪側の、最も悪の部分が「最悪」なのだ、ということが分かる。

また、何を以て「最も」とするのかが曖昧なので、「上中下」というランキングヘルパーにも登場して頂く。

「上中下」というのは3分割だ。通念上、同比率とは考え難いが、敢えて3等分としてみる。33.333…と、百分率では一向に分割できないがw バクっと1/3ということだ。分数便利♪

「最悪」のポジション、エリアは「悪の上」ということだ。しかも、その頂点。「上」エリアを更に3分割すると、「悪の上の上」ということになる。

これ以上分割してもキリがないので割愛するが、悪に対する善もこんな比率で構成されているとすれば、善悪の関係とは、非常にバランスが良いと云えるかも知れない。

善と悪の中心から等間隔に目盛りがシンメトリックに広がっている定規。
そんなイメージが浮かぶ。



「最悪」についてはこの辺りにして、次に「最凶」について。
こちらの所属は、おみくじなどで馴染み深い「吉凶」の一極である。

「最吉・最凶」。
こんな言葉はないのだが、吉凶チームは善悪チームと比べると非常に比率のバランスが悪い。

吉凶チームの分割は「上中下」ではなく「大中小」だ。おみくじの内訳は以下の通り。

大吉・中吉・小吉・吉・末吉・凶・大凶

ね、全然、比率悪いでしょ?
「末」とかドサクサに紛れて急に入ったりしてるし…

しかも、「最凶」というのは「凶」のマックスであって、そうすると「大凶」に負けていることにはならないだろうか? 云うならば、余り凶ではない。

或いは、公平を期するために、凶チームも吉チームと同様、

末凶・凶・小凶・中凶・大凶

と並べてみるとどうだろうか。
そして、一番端に「最凶」を置く。

ぬ〜ん。微妙…

だが、これはおみくじに準えるから違和感を覚えるのであって、吉凶チームも善悪チームと同様に大きく二分してから考えれば、善悪チームと同様の感覚を得られるだろう。

ここまで至って初めて「最凶」がまことしやかに市民権を勝ち得るのだ。



「皆さん、最凶ですかー?」
「知らんがな…」

そんな感じで♪


【余談・その1】

氷川神社のおみくじは一般的なおみくじより種類が多いそうだ。

一般
大吉・中吉・小吉・吉・末吉・凶・大凶の計7種類。
↑これがスペルで使ったやつね☆
氷川神社
読み方
大吉
吉平きっぺい
平吉へいきち
小吉
末吉
たいら
凶向吉きょうむかうきち
凶末吉きょうすえきち
初凶末吉しょきょうすえきち
吉凶未分きっきょういまだわかれず
吉凶相交きっきょうあいまじわる
計13種類。

…って、後半のは最早占いでも何でもないような…苦笑
きっきょういまだわかれず、て…フツーやないかw

【余談・その2】
おみくじを漢字で書くと、

神社のは「御御籤」或いは「御神籤」
お寺のは「御仏籤」

ですってよ、奥さん♪
祀るもので漢字も変わる、と。
すっかり知恵付けちゃって頼もしいわぁ〜 ねー

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