例えば、かなりの困難を極めたとしても、いずれ必ず見つかる探し物ならば、元々、自分の持ち物だったと云えそうだが、同等の労力を費やしたとしても、尚一向に見つからないということは、多分、自分の持ち物ではないのだろう。
前世の遺留品。
あろう筈もなく、遺失物届けにも決して挙がって来ないような架空の忘れ物。
それを求め、当て所なく彷徨っている様子を「渇望」と呼ぶのかも知れない。
前世の記憶ほど当てにならないものはない。
どういう訳か、それだけはよく覚えている。
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Tags: 前世, 前世の記憶, 彷徨, 渇望, 自分
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