あえて
__ 儒教の祖:孔子[孝経]
身体髪膚
孝経
去る2月28日、
頭蓋骨骨折で緊急手術、入院した。
原因は暴飲。アルコールは焼酎。プライベートではバーボン党で通っている自分だが、仕事では「
店はビルの7階にある。発見されたのは6階のエレベーター前。
仕事中に携帯が鳴ると、店内にいると騒がしくて相手の声が聞き取りづらいため店外に出ることが多い。
着信履歴を見ると、午前7時24分、以前(最近)の彼女からの電話だった。
Like a rolling stoneでも触れている通り、賃貸契約やその他諸々の問題が解決していないため、頻繁に連絡を取り合っていた。
そして、次に、その彼女からのメール。「電波悪いね。まぁ、いーにゃ!」また連絡してくれることを待ってるとの内容。これらのことはすべて記憶に残っているが、それ以降、丸二日ほど記憶が消し飛んでいる。
6階のエレベーター前で、右耳から大量の血を流しながら倒れていたのだ。
7階から6階の階段途中には踊り場がある。定かではないが、彼女からの電話、メールの後、突然、気を失って踊り場目掛けて頭から落下したのだろう。
店のスタッフが第一発見者だったが、発見されたのは午前10時は過ぎていただろうか。すぐさま救急車が呼ばれ、病院に担ぎ込まれ、午前11時半頃に緊急手術が行われた。
右耳の上の側頭部から一度後頭部へ向かい、緩やかなカーブを描いて頭頂部へと続く約15cmほどの頭蓋骨骨折。強烈な衝撃を受けたため、脳を包む脳膜(髄膜)と頭蓋骨の間にできた血腫を取り除く手術だ。
頭髪を刈り込み...お陰でトレードマークの金髪はすべて失われたが...頭皮を右耳の後ろから側頭部を渡り、円弧を描くように前頭部に向け切開し、骨折した亀裂を一辺として利用して、頭蓋骨を三角形にくり抜き、溜まった血腫を除去する。
駆けつけた身内は手術内容の説明を聞かされたとき、最悪の事態を想定したらしい。そして、左脳の内出血が原因で後遺症、
手術後、麻酔が切れた自分は、まだアルコールの抜け切らない所為か、ベッドの上で吠えまくり、鎮静剤をしこたま打ち込まれ、両手両足をベッドに括り付けられたそうだ...
「アタマが割れるほど痛いんじゃあー!ボケェ!」<や、割れたんだって...
執刀医が感心するほどだったそうだ。
「ホントに元気ですねぇ〜。それに肝臓がメチャメチャ強い。これじゃ麻酔も鎮静剤も効きづらいわけだ...」(苦笑
3月16日に退院した。入院期間は18日間。
短期間とはいえ日常を離れ、様々なことが脳裏を駆け巡った。
自分を発見してくれた店のスタッフ。自分を救ってくれた医者。見舞いに来てくれた元彼女(十年付き合った女)。仕事帰りに毎日来てくれた実の妹。弟分を連れてきてくれた実の弟。自分の撒いた不始末に涙した両親...
「日常とは奇蹟の連続である」
2週間余、自由な歩行すら奪われ、ベッドに就いていなければならなかった自分は、健康時には思い知ることのないことを経験した。
当たり前のことは当たり前ではないのだ。
普段から生き死にを念頭に行動している自分にとって、まさしく、その狭間で揺れ動いていたのだ。
その中で一番出てきた議題は「人間関係」だった。
自分自身、価値観が一様でない他人同士が犇めく以上、信じた者には裏切られ、あるいは信じた者を裏切り、ひどく弱く、希薄で儚いものだということを誰よりも知っているつもりだ。
他人とは、国語的な意味合いではなく、血縁云々でもない「他の人格」。自分以外の人間は「すべて他人」という意味だ。
他人には自分の本意・真意は決して伝わらない。本人ですら、その都度の感情で流転する本意・真意を理解できないわけであり、他人が知り得る余地があるはずがないのだ。
だが、自分の中では決して揺るがないものに気付かされた。
それは「魂の交流」である。
これに虚飾や美辞麗句は一切必要ない。
言葉の、額面上の意味やTPOなども、まるで無関係だ。
何を喋くろうが、何を綴ろうが、何を創ろうが、何を感じるか?
この一点に尽きる。感じるのは他人を含め、自分自身でもある。
魂の器である体躯──これが著しく損傷した場合、本意・真意は消し飛ぶ。
五感を駆使することも儘成らず、表現の方法手段をも失うからだ。
身体髪膚 これを父母に受く
あえて毀傷せざるは...
反省はするが後悔はしない。
生きている以上、有益で無駄な時間を浪費するだけだ。
Life has no meaning.
この反証を垣間見たような気がする。
水商売で生計を立てるのも、そろそろ潮時のようだ。
[ No. 001 ] 好きな酒は
vincent. 2004/03/18 (Thu) 16:43:39
Netscape 7.02 (Macintosh)
気の合う連中と酌み交わすのがベター。
だが、それを仕事とした以上、苦手な連中とも席を共にせねばならず、それを本質的に苦手とするオイラにとっては、精神的なギャップを埋めるのに四苦八苦だったのだろう。
俺は俺様であり客を立てる事なんて...(苦笑
酒が好きな自分にとって、それを商売にすることはいろいろと都合が宜しくないだろうゆーことを痛感した。
アルコールは人間関係を深める意味でも潤滑油であって、金儲けの方法手段ではないと思うからだ。
アルコールに対するこだわりもまた人それぞれであり、価値観の相違に違いない。
[ No. 002 ] 追記
vincent. 2004/03/18 (Thu) 20:07:14
Netscape 7.02 (Macintosh)
右耳の鼓膜は破れ、聴力が50%低下した。
まだ、頻繁に外出できるような体調にない。歩道を歩いているとき、右背後から近づく自転車にすら気付かない。
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