流行を追わない者もまた流行の奴隷である、と云う誰かの言葉を思い出した。
…だとすると、
流行=時流の流れ
と置き換えることが出来そうだ。突き詰めると「常識」。
冒頭の言葉。テーゼとアンチテーゼの関係によく似ていると感じた。
アンチテーゼとは、テーゼに対する反論であり、テーゼ自体がなければ、そもそも存在しない。
「アンチテーゼ」と云う時流に逆らった反逆者・反骨精神などのイメージを持つ言葉・思想そのものも、所詮、テーゼの従属である、と言い換えることができるのだろう。
テーゼとアンチテーゼの関係の派生として、「常識」と「非常識」の関係が浮上する。
冒頭のように置き換えると「非常識」もまた「常識」の奴隷である。
「非常識」を「アンチテーゼ」同様に補足すると、煙たがられたり、忌み嫌われる対象として捉えられがちだが、実は、皆が好意を抱いている、或いは迎合している「常識」の従属である、と云えるのではなかろうか。
そして、常識人と非常識人。いずれも常識の範疇内の人。故に「常識外れな人」はいない、と云う少々風変わりな仮説が成立する。
仕事帰りの人などが信号待ちをしているのをマクドナルドの2階からガラス越しに眺めていて、そんなことをぼんやりと考えていた。
そして、あの信号待ちをしている人たち全員が素っ裸だったらどんなだろう?
「服を着て表を出歩く」と云う現在の「常識」が「非常識」だとしたら…
多分、素っ裸でいることに何らの「疑問」も「躊躇」も抱かないであろう。
逆に、「え〜!? 表出歩くのに服なんて着るのぉ〜!? 信じらんな〜い。頭おかしいんじゃなぁ〜い?」などと罵倒されそうだ。
「常識」と云うテーゼは実にギリギリの均衡で成り立っている。
そんな蜃気楼のような価値観に一喜一憂し、翻弄され、そんな曖昧な枠組みから外れることを何よりも恐れ、覚束ない足取りで歩いているだけだ。
信号が青になった。
片手にバッグを携える者。待ちあわせに遅れてしまうのを危惧しているのか、心配そうに腕時計を眺めながら横断する者。キャリアウーマン宜しく颯爽とヒールをカツカツと鳴らしながら闊歩する者。
横断歩道を渡る人々は全員素っ裸である。
そんな光景を頭に描きながらニヤリと苦笑を浮かべた。
コメント
2005年08月05日12:52 vincent.
や、オイラ、服着て外歩くよぉ!?
や、ホントです。ホントだってばぁ。。イヤン♪ 苦笑
2005年08月05日14:00 vincent.
信号は守るのに素っ裸。。
やっぱり、どう考えてもオモロイ訳で。。苦笑
そんなことを脳内で妄想できる人間ってな、やっぱ他の動物と違った「楽しみ」を持っているなぁ、と☆
自分の価値観と違うからと云う理由だけで、それらを排斥しようとする心の動きは、まったくもって自身のポテンシャルを封じ込める行為に他ならないなぁ、などと思う訳であります。。☆
ま、万人に通用する常識・方法手段なんて有り得んからね☆
オイラ、気を付けて覚束ない足取りで歩こう思ってるの♪
2005年08月05日14:07 vincent.
こんな思考の流れからマジョリティとマイノリティについての思考なども派生する訳で。
兎に角、多数派であろうが少数派であろうが「そう云った価値観が存在する」と云う事実をどのように受け止め、認識するか。そこで、その人なりの性格なり趣向なり、所謂、人格と呼ばれるものが形成されると思うのよ。
オイラは知的好奇心旺盛なほうだと思うので、それらに関して「貪欲」。。笑
そして、知ってからその苦悩を思い知る、みたいな。。笑
ただ、そんな「当たり前の苦悩」が心地好かったり。。
何ともスピリチュアルなMやなぁ〜 笑
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