[エッセイ/随想]とある居酒屋にて
(2007/02/10 03:58:00)


だいたいカウンターに坐る。

水槽がある。中には海老が。
こないだまではいっぱいいたのに今は数匹。

「儚い命なのよぅ〜」

暫く彼らの動きをぼんやりと眺めていた。


彼らは生きることに特別な理由や意味、目的を見出していない。

ただ、生きている間だけ生きている。

トランスルーレントな筐体の中には驚くべく単純構造な内包物が理路整然と然るべく格納されている。

何だか、ものすごく癒された。


「相手の気持ちになって考える」

お為可笑しい諭しのひとつ。ただ、人間だけならまだしも動物や植物、ひいては無機物の気持ちまで考慮に入れるとなると…

思考のトルネードは人間だけが得られる快感であり、同時に堪え難い苦悩・苦痛を生む。

Keywords: 人間 気持ち ひとつ カウンター スルー

Tags: 居酒屋, 快感, 思考, 意味, 構造, 特別, 理由, 理路整然, 目的, 酒


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