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某日、偉大なる皇帝は深く思い悩んでいた。
近年稀に見る絶不調に見舞われ、皇帝の思惑通りに統治することが困難を極めていたからだ。
彼は、この世に生を授かった瞬間刹那から、この世にある一切の万物を須らく統治すべし、と云う平民には到達し得ない重責を背負っている。
この絶不調が長引けば、万物の存続はおろか、皇帝自らの統治能力に疑問あり、と叩かれても致し方ない。
そのような事態を避けるべく、やはり、流石は偉大なる皇帝である。平民の不満なりに耳を傾けようと云う方策に至った。
これは保身の考えから端を発した方策ではない。万物を統治せねばならぬ皇帝の苦悩が、物語を綴る小生などには及びもつかぬほど高次元の問題であろうことは想像に難くない。
飽くまで、推測の域を出ていないが「慈愛」──この言葉が脳裏をよぎる。
無限に広がる大宇宙のような寛容さと深遠さとが彼を衝き動かしたに違いない。まさしく、感涙である。偉大なる皇帝に燃えるような情熱の真っ赤な薔薇を…☆
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