[ポエトリリック]君は揺蕩う蝋燭の光
(2007/07/28 09:04:10)


君は揺蕩(たゆた)う蝋燭の光。
非道く不安定だが、何故か心安らぐ。
優しくて懐かしい光。

君は降り(しき)る雨。
生温かくて、ひんやりしている。
無秩序なビートが魂を浄化する。

君は地表に刻まれた渓谷。
生気をすべて呑み込んでしまうような。
切り立つ可能性の崖に臨むような。

君は静寂に包まれた深い森。
無言でも様々なことを問い掛ける。
声なき声でセンテンスを刻む。

君は凛と佇む一輪の華。
見る者の魂を抜き取るような、
甲斐と覇気とを解と改とで介する。


その光を見た者は、
情熱と冷静の狭間に立ち、
不動の根拠を嚼み占める。

その雨を舐めた者は、
ほろ苦さと甘酸っぱさを味わい、
(けが)れた残魂(ざんこん)を丁寧に縫い清める。

その谷を嗅いだ者は、
絶望を厭わず、覚悟を定め、
自身の無力さを呪い(ひざまず)く。

その森を聴いた者は、
暗闇に臆せず、未知に怯まず、
五感の機能を度外視する。

その華に触れた者は、
緩やかに魂を弛緩させ、
至福の「感」を得る。


君は揺蕩う蝋燭の光。
君は降り頻る雨。
君は地表に刻まれた渓谷。
君は静寂に包まれた深い森。
君は凛と佇む一輪の華。


僕は君を愛してやまない。
精魂枯れ果てても──。

 決して変わらない。
 囚われてやまない。

嗚呼、君を想うと──。

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Tags: センテンス, 凛, 声, 度外視, 愛, 揺蕩う, 浄化, 甲斐, 秩序, 魂


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