時間と云う膨大な容積を埋め尽くすものは何もない。
未来永劫、たゆまず流れ続ける時の洪水。
気が遠くなるほど、シビアに、淡々と、冷徹に。
ただ、自身に許された時間には限りがある。
自身と云うインスタンスは、宇宙と云うルートステージにおいて、ほんのひとひらの
それでも尚且つ咆哮する。微細が故に吠え続ける。
「咆哮」と「彷徨」の韻が同じなのは誰かの気紛れなのだろうか。
いずれも僕が好むフレーズだ。
宿る命と書いて宿命。
有限の命を全うすることだけが生ある者に課せられた唯一の宿命。
生の潰えるその瞬間刹那まで魂の慟哭を咆哮する。
生んでくれて、ありがとう。
苦悩に満ちた世界は素晴らしい。
幾ら泳いでも対岸に辿り着かない。
辿り着かないどころか──
果てしなく広大だ。
我、完成された欠陥品なり。
代替え品はない。
修理に出しても高くつく。
「八方塞がり」とは、こう云うこと。
独自の諦観とは、渇望する者のみが得られる驚くほど容易で気が遠くなるほど厄介な代物である。
我が魂の命ずるままに──。
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