或る女の子のメインテーマとも云えるエレメント「柔らかさ」について考えてみる。
僕はキャパシティ(許容範囲)のことだと感じた。
人当たりが柔らかいと云うことは相手を包み込んでしまう、と云うことだ。そこには「優しさ」なども顔を出す。
例えば、バファリンの半分は優しさで出来ているそうだが、では残りの半分は?
多分、薬剤師でも即答は難しいだろう。
「分からない…」
往々にして分からないことのほうが多かったりする。それでも頭痛を抑えるのに効果的である、と云うことは経験則なりが導き出す。
要するに「理解不要」と云うことだ。理解など「通過点」。通過できる者とできない者に分岐するだけ。頭の善し悪しなどとは、本来、関係ないことなのだ。
例えば、柔らかさについて理解していなくとも、相手を柔らかく包んであげたくなる。
そうした欲求は自然に発生し、否めない感情だ。自分が大事にしている(したい)ものほど、その欲求も高まるのだろう。
「優しさ」と「柔らかさ」──。
重ねると「優柔不断」と云う言葉が透けてくる。
マイナスイメージであるこの言葉には「理解不要」の鍵が隠れている。
決め兼ねてフラフラしているようにしか思えない、その挙動なり真意なりが凡人には理解できないだけなのだ。
故意に、意識的に決め兼ねている──のだ。
何故か?
いずれかに決めてしまうと、途端、そこに柔らかさはなくなる。シビアでハードでソリッドなものに変貌するからだ。
成る程、トドメの一撃や後がない場合などにはとても有効だが、果たして、それほどの重要なシーンなりが何度訪れようか?
──甚だクエスチョンである。
優柔不断とは、優しさと柔らかさを兼ね備えた、優れた柔らかさのひとつである。
後半部分の「不断」を「断れない」や「断らない」と捉えると、なかなかどうして威風堂々とした貫禄すら漂う。
こうして「優柔不断」にプラスイメージを吹き込む。
一事が万事。悪しき「然」なりを逆手に捉えてみるだけで「必然の矛盾」が浮き彫りにされ、同時に事もなく氷解する。角度を変えるだけで見え方が変わる、と云うことだ。
優柔不断は妥当な懐柔策。
懐に柔らかさを──。
*2008.11.23・草稿
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