「強烈な二面性」とは、或る種の「#irony">アイロニー」である訳だが、全体を網羅、俯瞰する能力に欠けていると、そのまま額面通り被弾してしまう。
平たく「温室育ち」と言い換えれば良いのだろうか…
いずれにしても「受動型思考の典型」であると考えられる。
或いは、平たく「指示待ち人間」等々、自身で判断する、と云う最も原始的な部分ですら他に依存してしまう。
厄介なことに当人にその自覚がない。無意識でそれを行ってしまうのだから何とも咎めることも出来ず…
「氷山の一角」で全貌としてしまう早計さ。
それを「直感」だとして疑わない愚かさ。
しかも「受動的思考」であるにも関わらず、不都合な指示には従わない、と云う…
──僕は「濃度の違い」と云うことで括る。
他人の言動、その他諸々はその人の所有物であって、それに触れ、某かを感じたのならば、それは「自身の所有物の再確認」をしただけに過ぎない。
「有るものしか顕われない」とは、こう云うこと。
ないものには「反応」すら顕われないのだ。顕われようがない、自身に持ち得ていないのだから。
「読書」「読解」と云うことに刮目せよ。
他人が記した文章なりで某かの反応が顕れるのは、自身にもその要素が有ることを認めた証拠なのだ。
プラス要素であれ、マイナス要素であれ。
好都合であれ、不都合であれ──。
刹那で揺れ動く機微。
どちらの極に傾いでも、いずれにしても「自身の所有物」である。
──そこが「感受性の違い」だ。
何故、人は他人の著した物なりで感動するのか? できるのか?
それは自身でも気付かなかった「潜在能力」をくすぐられるからだ。
ポテンシャルの覚醒。
著した側は、明示的に、意識的に外界に放つ。──それが「能動的な表現」だ。
既知だからポイントを突けるのだ。
逆に、「不快感・嫌悪感」だけを外界に放つのは「受動的な表現」に過ぎない。
表層の、感情領域の話など、高が知れている。物事を「好き・嫌い」だけで判断することに慣れている証拠だ。論理的思考、建設的な会話はまず無理だろう。
建設的な会話の前に、建設予定地の整地がなされていない。不毛の荒野が広がるのみだ。
読書とは、他人の軌跡をなぞっているに過ぎない。「著者の既知のお裾分け」と捉えれば分かり易いだろう。
読解なり、語彙の解釈なりが稚拙なのは、他人の軌跡をぼんやりとなぞっているからだ。
他人の話を聴いているのか、いないのか、他人を見ているのか、いないのか、甚だ怪しいものだが、根底、どうでも宜しい。
自分の言葉──。
ここに、その人の半生なりが刻まれている。それらを拾い集めたのは、紛れもなく「自分自身」だからだ。
「審美眼」と云う杓子でもそれは測れる。
それが稚拙なのは…
ぶつかっていないからだ。
真剣味が足らないだけ。
そんな風に感じる。
柔らかい言葉、耳障りの良い言葉。
そればかりを追うことは僕にはできない。
でなければ、今の僕は今の僕たり得なかった。
「波瀾万丈」などと文字面で著せるほど簡単な要素ではない。
肉を斬らせ、骨を断ち──形容し難い、惨たらしい「負の要素」で満ち溢れている。
砂を噛み、はらわたが煮え繰り返るほどの苦渋・不都合を乗り越え──全身全霊を賭して突き進む。
──それが「魂に刻む」と云う作業だ。
僕は魂に刻み続ける。
生の潰える瞬間刹那まで──。
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